興信所の身元調査とは
興信所の行う身元調査とはどんな調査なのでしょうか。身元調査とは、特定の人物について生まれや親せき関係、家族関係を調べる調査の事を言います。また、これまでの経歴、評判や風評等についての調査も含まれます。こうした調査によって、個人情報や信用について調べることになります。
どんな時に興信所の身元調査が利用されているのでしょうか?まず、婚約者や交際相手の身元の確認をしたいという人が依頼する事があります。また、交際相手や好意を寄せている相手が結婚していないか、これまでに結婚・離婚歴がないかなどを調べたい場合にも利用する人がいます。
さらに、履歴書や職務経歴書などに詐称がないかの確認、慰謝料や損害賠償請求にあたって資産状況を確認したい場合などにも利用される事があります。
現在では少なくなっていますが、特に以前は身元調査によって今でも根強く残っている部落差別問題と関連して差別問題が生じる事もありました。身元を調べる過程で、いわゆる“部落”出身者である事が明らかになり、それを理由に結婚や会社への採用を断られたり妨害されたりするのです。このような行為は、日本国憲法で保障されている基本的人権を侵害するものですから、当然行ってはならない事です。
こうした興信所の身元調査を悪用して、差別行為を行った結果1973年に訴えられ(興信所差別身元調査慰謝料請求訴訟)、原告が勝訴するという判例がすでに出ています。当然興信所は差別につながる調査を行いませんが、依頼する側もそのような調査依頼を出さないよう注意しなければなりません。
就職・転職における興信所の身元調査
企業が人材を採用する際には、まず履歴書や職務経歴書の情報を参考にします。しかし、履歴書・職務経歴書にはうその情報を記入する、いわゆる履歴詐称といったような事を行うことも簡単にできてしまいます。面接の際にも同様で、うそをついているとしても、その場では判別出来ない場合があります。一般の社員を採用する時もそうですが、重要な役職の人材採用の時は特にそのような事があっては会社にとって損害となる場合があります。
こうしたことを防ぐために、一部の企業では採用前、興信所に身元調査を依頼する事があります。履歴書・職務経歴書の情報が正しいかどうか、また面接時に述べていた通りの経歴や人物像なのかを確かめるのです。
この調査のために、以前の会社への聞き取り調査、近所への聞き込みなどを通して、実際の経歴と履歴書や職務経歴書の内容に違いがないかを確かめます。また、この調査によって勤務態度や成績、性格や素行、退職の理由や生活の状況などを調べ、採用に値する人物かを調べます。
しかし現在では、こうした調査はごく一部の企業しか行っていません。ひと昔前までは、転職も稀な事であり、企業も中途採用に予算をかける事ができました。しかし、終身雇用の考え方が揺らいでいる現在では、転職がとても一般的なものになっており、いちいちお金をかける事は出来ないと考える人事担当者は増えているようです。
さらに、この調査は非常に個人的な情報を調べる調査ですので、個人情報保護法が存在する今では、以前の会社に問い合わせたとしても、ほとんど情報はえられません。
婚前に興信所に身元調査を依頼する
結婚は一生を左右する出来事です。結婚相手の選択を間違えれば、一生大きな問題を抱えながら生きる事になる場合も少なくありません。結婚相手の事は自分が一番よくわかっていると思いたいのが婚約中の人ですが、現実問題、人間はそう簡単に他人の本性を見抜く事はできません。
結婚するかどうかの選択をするとき、よりよく相手の事を知るために興信所などに依頼する身元調査を結婚調査といいます。結婚調査では、身元調査を通して、対象になる人物の経歴や人物像、親戚関係や家族関係、出生、経済状態、また素行を調べます。調査の内容は依頼者によって異なります。
結婚前に興信所などに身元調査依頼するケースは増えてきています。昔は結婚といえばたいてい、信頼できる友人や親、親戚その他の人による紹介やお見合いによる出会いがきっかけでした。相手の事をよく知っている人から紹介を受けるという事は、それだけ結婚相手の事も信頼しやすいということです。
ところが、最近ではそのようなケースだけでなく、職場恋愛や様々な場所で見知らぬ人と出会って結婚に至るケースも多くなっています。また、婚活によってお見合いパーティなどで会った相手との結婚の場合は特に、相手の事を本当に知らないまま結婚してしまう事も少なくないのです。
出会いの形が様々な現代においては、本当の相手の人となりを知ることが以前より難しくなっていると言わざるをえません。
いい人に思えたのに結婚後DVを行ったり、ギャンブル癖が明らかになったら、後悔先に立たず、ということになります。そうした事を防ぐために、結婚前の興信所などによる身元調査は効果的です。